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お茶の水界隈 夏(文京区)



街暑し橋を行き交ふ総武線

 梅雨の晴れ間であった。
 句友と神田の老舗蕎麦屋「まつや」でビールを飲んで、昌平橋から幽霊坂、ニコライ堂、孔子廟の昌平黌と歩いた。
 「まつや」は池波正太郎が通った店として有名であり、11時の開店と同時に何時でも満員相席となる。
 この日もすぐに満員となってしまった。
 昌平橋から聖橋を望むと高架を走る総武線が行き交った。下の神田川は上げ潮に逆流を初め、商店の舞台裏を見せる 流れは暑苦しい。
 昌平橋からニコライ堂に向かうと幽霊坂がある。今では高層ビルの間にあり、昔の面影はないが、住時樹木陰惨にして、 昼尚凄寂たりしを・・・とあるから大変なところであったのだろう。
 ニコライ堂から聖橋を渡り、孔子廟に休む。涼しいところは藪蚊がわんさか。早々と句会場の後楽園に向かった。




   浮く塵の川遡る暑さかな

   魚屋の裏を隠せり古すだれ

   幽霊坂の標うすれて街薄暑
10年伊吹嶺11月号遠峰集収載句



   緑青の鐘塔仰ぐ片かげり

   孔子像の裾に茂れり藪枯らし

10年伊吹嶺11月号遠峰集収載句

   楷の樹の葉擦れ涼しき昌平黌
[了]
吟行2010,07,06

お茶の水界隈 冬
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