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花の浄智寺と明月院(神奈川県鎌倉市)





うららかや裳裾を垂らす三世仏
浄智寺の木造三世仏座像



花の浄智寺・明月院

 前日までの冷え込みで葉桜見物との予想を覆し、最高の花見日和となった。
 北鎌倉の駅は改札が狭いため、プラットホームから人が溢れんばかりであった。
 毎年何度となく参詣する寺院ではあるが、その季その季に拾い損ねた句材を見つける喜びは楽しい ものである。
 境内や沿道には鎌倉在住の物作りの匠達が店を出し、お花見をさらに盛り上げていた。
 我々は浄智寺と明月院を吟行地と定め、句帳片手に思い思いに歩き回った。
 句会場は明月谷戸と言われる住宅地の一角にある、名月荘を貸して頂いた。
 名月荘は故石橋湛山氏の隠遁所であったそうで、老朽化のため七月には閉鎖されてしまうとのこと。 山を借景とした静かな邸宅で、北鎌倉の本日の喧噪とは無縁の地であった。


   山内に小物販げり花の寺

   水温む甘露の井戸に羽虫群れ

   花大根大寺の畑埋めつくす
10年伊吹嶺6月号遠峰集収載句



   鎌倉やどこのやぐらも羊歯萌ゆる

   浄智寺の宝輪過ぎる花吹雪

   切通しの陰に揺れたり濃山吹



葉祥明美術館二句
   童話館の窓に灯しや花辛夷


   番犬は布の人形鼓草    



   木の芽風寺の円窓吹き抜くる
10年伊吹嶺6月号遠峰集収載句
   浄智寺の菜畑へ消えぬ紋黄蝶

   禅林の庭の日溜り木瓜の花



   時頼の墓に鶯鳴き通し

   若楓仏足石に日を零す

   限りもなや花の舞ひ散る切通



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