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もみじ湖(箕輪ダム)(長野県)





ゆつくりと雲渡りをり渓もみぢ



もみじ湖

 初夏に高遠と木曽福島に行ったが、今回も藤沢の句友による呼びかけに応じ、もみじ湖と美ヶ原 のもみじ狩りと妻籠・馬籠宿の旅に便乗させてもらった。
 諏訪湖サービスエリアでは、拳を振り上げるように咲いていた橡は大きな葉を湖風に寂しげに 鳴らしていた。
 もみじ湖はあまり聞き慣れない名前と思ったが、1992年に伊那の地に作られた箕輪ダムであ り、箕輪町が観光地にすべく、10000本のもみじを植栽して10年ほどが経た場所だそうだ。
 たしかに樹齢が若く、まだ小さい木が目立つが努力の成果は出てきており、所々に素晴らしい景が あった。ただ、道路整備や駐車場などのインフラが追いつかず、とくに湖近辺に車を置いての散策が 出来ないのは遠方から人を呼ぶのには、もう一つ努力をしてもらいたい。


   渓紅葉奈落に響く水の音

   曲がるたび紅葉明りにバスの旅

   橡黄葉音たて風に逆らひぬ



   伸びゆける飛行機雲や山紅葉

   

   札たてて旅人を阻むきのこ山



   夕日差す紅葉の径を歩みたり

   水尾長しダム湖の秋の夕まぐれ

   落日の光あまねし山すすき

美ヶ原藤沢山荘

 箱物行政で作られた、藤沢市のこの山荘を使用するために組まれるツアーであるから、ここに 泊まらない訳にはゆかないが、食事は大変美味しい。
 また、ゆっくりとここで句会を開けるのも楽しいことである。
 翌朝眠い目を擦りつつ、落ち葉散り敷く山道を少しだけ登ってみた。
 残り少ない白樺の黄葉に朝日があたり、遠い乗鞍はすでに真っ白であった。
 なぞえの枯葉の中に真っ赤なソフトクリーム形のものが見える。蝮草の実だった。
 8時頃、木曽路の寝覚ノ床を目指しまたバスに乗った。


   きらめける樺の黄葉ややまあした

   黄落の樺に乗鞍岳尾根白き

   夕日濃し軒端に下がる唐辛子



[了]
吟行2007,11,04
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