房総の四季
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笠森観音

段幾重空に尖れる追雛寺

笠森観音堂



笠森観音は天台宗の別格本山で伝教大師最長が十一面観世音菩薩を刻みこの山上に安置して 開基された寺で、観音堂は1028年作。国の重要文化財となっている。
阪東三十三観音の第三十一札所でもある。危なっかしい処に建てられて現存するのが不思議なくらいの 不思議なお寺さんである。本堂まで行くのが大変。昔は乗り物もなく,やっと着いたと思って上を見て がっくりと来たのではなかろうか?
松尾芭蕉もその昔、参詣して「五月雨にこの笠森をさしもぐさ」と詠み、その句碑が残っていた。
言葉遊びに終わっているのが残念である。
又、この付近は国指定の天然記念物の原生林であり、ヒメハルゼミの生息地でもある。




   木目浮く堂の階寒鴉鳴く

   観音の足下膨らむ冬木の芽

   手を翳し堂見上ぐるや追儺人

   春隣る子授け観音樹の窪に



岩山の上に観音堂が有る寺はぜひ訪れてみたいと思っていたので,豆撒きが行われる2月3日に 行った訳である。
追儺会はこの高い堂で行われ,一般人は下の境内で投げ下ろされる豆を受けるようである。地元の 玉前神社の豆撒きも参加したいので、ここは引き上げることとした.豆の代わりに金運を呼ぶ黒猫の 置物を買ってきた。
他に山門に至る道に巨大な楠があり、その先に観音様が祀られている。子授楠とあった。
ハルゼミの頃再度参詣する予定とし、豆撒き本命の上総一宮、玉前神社へと戻った。


こちらは、さすがに駅前でもあり大変な人出であった。相撲取りやAKBの真似事のようなグループなど 余興の後に沢山の豆を撒いてくれた。当たり籤は引けなかったが結構多く頂戴した。写真は暗くて 上手く写らなかったが当地で初めての豆撒きを楽しく過ごした。帰りの一宮川を照らす月が印象的であった。

   確と享く終の在所の追儺豆

   追儺寺やご当地ソング唄ふ歌手

   節分の満月黒き川照らす



この項了


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