新年、春 その五

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金縷梅(まんさく)。季語 春。
まんさくは、先ず咲くが訛ったと言う説がある。春の中でも早く咲く花である。
漢字の中国名は、その形状を良く表している。
鎌倉 東慶寺

 金縷梅や炭焼窯の薄けむり  光リ
伊吹嶺 遠峰集19−6収載
椿、季語 春。
これは藪椿または山椿と呼ばれる種類。八重などや色もピンクや白もある。冬の内から咲く、寒椿 (季語冬)などもある。鎌倉 浄智寺

 赤椿散る鎌倉の切通し
山査子(さんざし)の花。季語 春。
これは正式名を細葉常緑山査子と言うようだ。花は梅に似て美しい。さんざしの漢字はいろいろあるようだが、これしか 変換出来なかった。季語的には晩春らしいが、これは6月初旬の深大寺で撮したものである。

 山査子や水車の零す水の玉
姫踊子草、シソ科。季語には見あたらない。
何処にでも見られる雑草で、仏の座と同じような所に群生する。夏の踊子草にも似ている。

草苺の花。季語 花苺で春。
苺は実のことで季語は夏。ヘビイチゴの花は黄色い。東御苑にて。
かしましやひとりしずかをみやるひと 一人静、吉野静、眉掃草。センリョウ科の多年草。季語 春。
ご婦人の集団が「たいした花じゃないわね」などと、うるさかった。

 姦しや一人静を見やるひと
金瘡小草(きらんそう)、地獄の釜の蓋。季語 春
紫蘇科の多年草。薬草で、地獄に蓋をして病人をこの世に戻すことから、地獄の釜の蓋の名前がある。小さな花で、あち こちに生えていた。町田えびね苑にて。

 右手弓手踏まじ地獄の釜の蓋
めてゆんでふまじじごくのかまのふた
きえびねやならくのたにのひいちじょう 黄海老根(きえびね)。 季語 春。 一般にえびねと言えば、ピンク色のえびねを指す。黄海老根は大柄で華やかだ。
この日春雷とにわか雨があり、四阿で雨をやりすごしたが、木々深く差す日矢に黄海老根は美しかった。 町田えびね苑にて。

 日一条奈落の谷の黄えびねへ
稚児百合(ちごゆり)。季語 春。スズランの同類。

下生えの稚児百合楚かな馬齢積む
したばえのちごゆりそかなばれいつむ
丁子がまずみ。
図鑑で調べても出ていない。がまずみは白い花で額の花の額なしみたいに咲くのでだいぶ違う。赤塚植物園にて。


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