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秋の北鎌倉(神奈川県・鎌倉市)



はぎのてらされいのたくのかわくおと

萩の寺茶禮の柝の乾く音



六国見山

くもはやしだんちのがけにくさぎのみ  9月27日に円覚寺松嶺院の座禅会があった。私は初夏以来の参加であったが坐禅の気と秋の鎌倉の気とを頂戴して 実に心洗われる1日であった。
 10時に北鎌倉駅に俳句好き、坐禅好きの連衆と集い、円覚寺の裏山に当たる、六国見山に登る。いつの間にか山の 中腹まで、住宅地となっていたが、途中で蛇に会ったり、臭木やフウロ草などを見ながら山頂まで登った。
 相模、武蔵、安房、上総、下総、伊豆の6国が見渡せることからこう言われるそうだが、北側はほとんど桜の木に 邪魔されて見えなかった。大島は眼前におおきく横たわっていた。
 帰りは明月院側に下り、野生の黄釣船草など発見。
 円覚寺に入ってからは、曼珠沙華の茂る弓道場に黙々と矢を射る女性を発見。さらに老師の丹精による秋の珍しい 山野草なども見せて頂いたのであった。
かまくらのうらさんどうにあなまどい


   雲迅し団地の崖に臭木の実

   鎌倉の裏参道に穴惑ひ

かまくらへでんしゃじゅずだまゆすりすぐ


   鎌倉へ電車数珠玉揺すり過ぐ

   水垂るる幽かな音や黄釣船




   曼珠沙華乙女一矢を放ちけり

   曼珠沙華的場の庭の緋毛氈

あきびあぶじおんのかたえたぬきまめ


   秋日浴ぶ寺苑の傍へ狸豆

   禅林の塀に首出す紫苑かな

[秋の北鎌倉終わり]
吟行2008,9,27
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