写真は写真の上でクリックすれば大きくなります。
戻るボタンで元に戻ります。
川越

鬼瓦でんと座りて秋高し
川越には、2002年の秋、2003年の冬に続いて3度目の訪問となる。
行くまでの川越のイメージは私にとって、それほど良いものではなかった。首都圏に近い、雑農
の町、芋姉ちゃん、薩摩芋、戦後の買い出し拠点、などの言葉がその原点であったと思う。
川越に句友で床屋を営んでいる方がいる。大変絵のうまい方である。
今回もそうであるが、いつも案内役を引き受けて頂き、しだいに川越の良さに感銘を受けるように
なってきた。
以前の写真や俳句と共に川越を紹介する。

川越の見所は、ほとんど、大きく蛇行する新河岸川とJRおよび東武東上線の線路に囲まれた中に
ある。
その中に城跡、寺院、旧江戸時代の商家の耐火構造の蔵造り建築が残る街並みなどが、げんざいの
生活空間の中にうまくとけ込んでいる。
このレトロ調の小型ボンネットバスが川越駅西口より、巡回運行しているので利用すると便利だ。
停留所毎に乗り降りすれば全て見学できる。我々は喜多院で途中下車した。
秋うらら小江戸めぐりのレトロバス
喜多院
喜多院は川越大師とも言われる。
元三大師(がんざん)は、1000年前の比叡山第18代座主だそうだ。像は国宝となっている。
建物は1638年(寛永15年)の川越大火で焼失。三代将軍家光が江戸城の別殿を移築したもの
で、これが客殿、書院などに当てられた。
そこが家光誕生の間であったり、春日局の間出会ったりするわけだ。
薄紅葉の庭には多くの小鳥が鳴いていた。
太鼓橋的な渡り廊下を通って本堂にはいると、ちょうど祈願の信者が来ており、大太鼓が轟いた。
また、寺領内に五百羅漢がある。実際は538体あるそうで、1782年より1825年の間に
据えられたものとのこと。
羅漢の背に張った蜘蛛の糸が木漏れ日に美しく輝いていた。
ひよ鳴くや春日局化粧の間
秋思かな酒呑む羅漢吾(わ)に似たる
冬ぬくし羅漢に光る蜘蛛の糸
吾に似し羅漢と思ふ寺の秋
川越城本丸御殿
川越城は1457年関東管領の扇谷上杉持朝が太田道灌とその父に命じて築城したもので、平城
である。その後北条氏が支配、江戸時代にも重要な城であったが、明治維新後この玄関と大広間が
残され、解体されてしまった。
敷地の大部分は一般の住宅となっている。
広い廊下とか、雪隠なども残っている。
今回は時間の関係でパスしてしまった。
三芳野神社
三芳神社も今回パスのところだ。
三芳神社は本丸御殿の向かいにある。もとは城内にあった天神様である。「とうりゃんせ」の
わらべ唄の発祥の地として知られている。写真は1月のもので、道は霜でぬかるんでいた。
霜道や天神御堂まで遠し
菓子屋横丁から蔵の町
今回は喜多院の五百羅漢を見た後、巡回バスで菓子屋横丁まで通過した。
実は二時半より参加者による吟行句会もやろうと欲張った企画をしてしまった為である。
川越のエキスだけはみてもらおうと蔵の町に駆けつけたのであった。
菓子屋横丁で芋菓子を頬張りながら歩いた。相変わらず大きな麩菓子などが売られていたが、衛生上
の問題からか、全部箱入りとなっていた。それに寄るのか、この日はこの麩菓子を食べながら歩いている
子供には会わなかった。
横丁を出て、いわゆる蔵の街の通りに出る。ここは人気があり、いつ来ても人が多い。
蔵造り資料館などは以前見たので、横丁のお寺に入ってみた。
以前には寄ったことのないお寺さんであった。
庭には、白式部、木ささげ、野牡丹に似た白い花が咲いていた。
長喜院
正面お堂の左手を見て驚いた。餓鬼のような像がある。そこには断食苦行釈迦牟尼像とあった。
1,2週間前に日本経済新聞の文化欄に、愛知地球博にパキスタン(?)が出展した、釈迦の苦行
姿の像のレプリカが鎌倉の建長寺に贈られることになり、海外では初めてのことだとの記事があった。
若干の記憶違いはあると思うが、川越に同じような像があるとは驚きであった。
写真にある如く実際の人体像とは肋骨の数など違うし、古いものと思われるが説明文などは
ついていなかった。
像の後ろは沙羅の木で実が爆ぜていた。
木ささげや苦行姿の釈迦牟尼像
時の鐘
時の鐘は蔵の街のメーン通りの中の横丁にある。この写真は今回のものだが、夕刻になるとガス灯
も灯り一層の江戸情緒がでる。時間があれば夕刻がお勧めの場所だ。
鐘は正午、3時、6時に鳴る。前回は聞くことが出来たが今回は無理であった。
この鐘も、彦根城の時報鐘、三井の晩鐘と同じく日本の音風景100選の一つである。
通りには、蔵の家の他歴史的建造物がいくつかある。
ほとんどの店がこれらのイメージを損なわせることなく営業しているから買い物の楽しみも増える。
この金物屋さんにしても、わざと今頃まで風鈴を吊っているのかも知れないが、雰囲気満点だ。
私は毎回豆屋さんできな粉まぶしの甘納豆を買う。
売れ残る店の風鈴秋日差
雁行や蔵に響きし時の鐘
十月の旅人となる小江戸かな
蓮馨寺
蓮馨寺には「おびんずるさま」が縁先に座している。誰でもが気楽に触れる配慮だろう。
体全身良くして欲しいところだらけであるが、少しのお賽銭では申し訳なく、頭に触れて頭が良く
なるように願ったが年齢的にも無理であろう。
境内には遊佐地蔵というお地蔵様もあった。薄の叢の中に立っていた。
ここまで来ると、本日の連中は、それぞれ句帳を広げて指を折ったりしている。時間も
タイムアップ寸前であった。
全員集合してバスに乗り、川越駅そばの句会場へと向かった。
穂芒や前垂れ赤き石地蔵
句会の後はまた楽しい反省会を持ったことは言うまでもない。
全て2003年の1月の画像も入れようと思ったが、やはり季節が違うので次のページに別項と
して載せることとした。この項の三芳神社および、1,2句はその時の句も入っている。
[了]
吟行日2002,2,14
次へ
頭へ戻る