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鎌倉駅から北鎌倉へ(神奈川県)
佐助稲荷
前回句友から誘われた参禅会に出かけた。
2ヶ月に1度開かれるので鎌倉の季節の移り変わりも堪能でき、その上気分もすっきりするので、
大変有難いことだと感謝している。
すでに初夏の佇まいの鎌倉であったが、鎌倉駅より、佐助稲荷、銭洗弁天、化粧坂を下って
北鎌倉円覚寺の松嶺院にコースを取った。
20分ほど住宅街を通って、新緑に包まれたトンネルを潜れば、佐助稲荷の鳥居参道に出る。
青嵐が稲荷の幟をはためかし、楓や柿、樟などの見事な新緑の中、鶯が大きな声で鳴いていた。
この神社の由来は、頼朝が伊豆の蛭が小島にいる頃、夢のお告げに出てきたのが、お稲荷さんで、
平家追討が為ったときにお礼に建立されたものだそうだ。
鳥居の下の狐の石像は、耳や尻尾の欠けたものが多い。また、奥社を始めいたるところに、木彫りや
陶のいろんな形のお稲荷さんが祀られていた。
少し住宅街を戻り、銭洗弁天に向かった。
途中、きれいな甲虫が飛んできた。斑猫かと思ったが、アオオサムシであった。斑猫の仲間と思って
1句作った。数年前にやはり北鎌倉で同行の句友が見つけたのは本物であったが。
植物では、白山吹
や常磐露草
などが咲いていた。
お稲荷の連なる幟柿若葉
耳欠けし稲荷の狐春深む
百態に余る狐の像うらら
銭洗弁財天
銭洗弁財天の謂われも頼朝にからむ。
巳年の1185年(文治 1)、巳の月、巳の日の夜、「この福水で神仏を供養すれば天下泰平に治まる」
という夢のお告げが頼朝にあり創建されたと伝えられる。これがお金を洗うと大きくなると変化した
ようだ。洗ったお金は、善行に使わねばならないとただし書きがあった。
1万円札を一生懸命洗っているおばさんがいたが、どうぞ善行に使ってね!
ここから3,40分風薫る源氏山を歩き、化粧坂の切り通しを抜けて北鎌倉の浄智寺に出た。
門前の畑は諸葛菜が見事に咲いていた。今回は食事もしたかったので、参拝はせずにした。
銭洗ふ弁天の洞夏きざす
’07年8月号伊吹嶺「伊吹集」収載
斑猫のぶつかりて来る切通し
禅林の捨て畑覆ふ花大根
松嶺院
松嶺院の老師は、山野草をいろいろと育てており、中でも牡丹は何十鉢と見事に咲かせていた。
山野草も、丁子草、まいづる草、深山苧環、鉄線花など見るべきものが多かった。
これらは、「俳句と写真」の春、夏に掲載してあるので関心のある方は見て欲しい。
座禅を組み老師の話を聞き、心洗われて電車に乗ったが、つい横浜で反省会を開いてしまった。
そんなことが楽しくできる、友達と体力に感謝して家路についた。
座禅会の柝に震へり白牡丹
禅林に夕餉の煙白牡丹